冬は早朝がいい! 雪の降っているのはあらためて言うまでもないわ。
雪が真っ白に降りている景色も、そうでなくっても、ひどく寒い朝、
炭火などを急いでおこして、ほうぼうの部屋に運んでいくのも、
冬の日の朝の景にふさわしいわね。
そして、ひるになって、寒さがゆるみ暖かくなってくると、
火鉢の炭(火)は、厚く白い灰をかぶってみっともないわ。
『枕草子』春は曙の段より意訳
わたしの幼いころ、冬の早朝に母が炭をおこし、
家族が起きる前にコタツを設えてくれていた。
炭や練炭の火は、時間が経つと上の方に白い灰
がかぶる。清少納言もそれを見ていて「わろし」
と書いているのだろう。