レトロ感あふれる倉吉の町並
二月にしては雪の少ない倉吉であった。倉吉を訪ねるのは
二度目である。一度目は三十年ほど前のこと、それから比
べるとだいぶ駅前の様子が変った。三日のあいだ倉吉の町
並を観察して歩いた。家の中まで立入って見たかったのだ
が、温泉での療養の合間あいまの撮影なので、今回は外観
のみにとどめた。また機会があれば、古道具屋や商店をの
ぞきながら撮影してみたいものだ。
八橋往来(やばせおうらい)は、伯耆国の中心であった
倉吉と八橋を結ぶ奈良時代からの街道。いにしえの道筋
が今に残る。
旧国立第三銀行倉吉支店の建物である。明治41年に
建てられた擬洋風建築。天井の飾りや階段などの建
具が建築当初のまま残されている。建物全体の保存
状態も良好で、山陰地方に現存する土蔵造り銀行建
築の中で最も優れたものという。
現在はレストラン「白壁倶楽部」として利用されて
いる。
左から二番目の家が映画で"泉ちゃん"(後藤久美子)が
お世話になった駄菓子店"ふしみや商店"である。この町
で寅さんと家出した泉ちゃんが偶然出会い、親切な店の
主人のおばあさんと三人で川の字になって寝たのである。
映画のなかでの吉田ヒデ子の艶技が秀逸!
大阪淀屋
1760(宝暦10)年建築の倉吉市に現存する最古の
町家建物という。以前は三軒長屋として使われて
いた建物が「淀屋」だったということが分り、改
装し一般公開している。
「淀屋」の屋号をもつ牧田家は倉吉を代表する商
家で、淀屋橋で有名な大阪の豪商「淀屋」と密接
な関係を持っていたといわれている。