青柳家薬医門は、藩への功績が認められ特別に許された重厚で
格調高い門という。武家屋敷通りでは一番立派な造りであった。
邸内は一般公開され、見どころは多い。
青柳家母屋は寄棟萱葺き屋根の造りで約二百年前の建築だという。
残念ながら座敷内部には立入ることができなかった。「母屋探訪
ツアー」と称する特別公開(別途500円)では入れるようだ。
見学者が邸内へ入るには脇玄関より入る。現在青柳家はここには
居住していないが、武具、古文書、什器などは展示されている。
建物の管理は「角館歴史村・青柳家」がされているようだ。
ここでカメラのトラブル発生。カメラのシャッターが切れない
のだ。調べてみたら、32GBのメモリーが一杯になっていたのだ。
予備のSDカードを探したが無い! サブザックに移し替えるこ
とを忘れていたようだ。なので、上の写真からは iPad で撮影し
ている(とほほ)。
武家の家で使用していた漆器類。奥におくどさんが見える。
意外と慎ましやかな生活だったかもしれない。
母屋に連なり武器蔵があり、その名の通り武器・甲冑の類が展示されている。
客用の夜着だという。寒冷地仕様のようで暖かそう。
芭蕉は「おくのほそ道」の旅では、紙子という和紙でできた
夜着を持ち歩いていた。軽くて丈夫、意外に暖かいとか。
武器蔵から庭に抜けて振り返る。
井戸がこれ一つだとしたら相当不便だっただろう。
「解体新書」の附図は、青柳家と親戚筋にある小野田直武が描いたもの。
直武の偉業と「解体新書」の附図や書画を展示している。
寺社の広い境内に迷い込んだかのよう。手水舎まで備えている
ことに驚く。
邸内の奥まった所には、「茶寮あおやぎ」がある。時間が
許せばここで休憩を取りたいところだが、まだまだ見たい
所があるのでここはスルー。
奥に橋が見えてきた。青柳家の庭は池泉回遊式庭園だという。
橋を渡ると食事のできる「食彩館」、喫茶室「ハイカラ館」、
「武家道具館」、それに各種の体験コーナーや郷土土産コーナ
ーなどがあり、全部見て回るには半日(?)はかかりそうだ。
当時の武士の生活様式を伝えるという武家道具が、所せましと並んでいる。
青柳家に代々伝わる陶磁器や雛飾りなどが展示されている。
槍のような武器と提灯が壁に掛けてある。
カフェを兼ねたアンティークミュージアムのようだ。時間があれば立ち寄りたい。
ここで雨が降って来た。
奥座敷のようだ。正玄関より入った客はこの部屋に通されるのだろう。
フレアーが目立つ(白いスジは雨筋)のは iPad のご愛敬。
外に出たら雨に濡れた通りがいい感じだった。
写真撮影には四時間ほど費やしただろうか。主な武家屋敷を
くまなく見て歩くと二日間はかかりそうだ。参考までにほか
には岩橋家、松本家、河原田家、小田野家などが無料公開さ
れている。
角館では、昼食抜きで大好きな桜皮細工も見ない、買わない
で武家屋敷通りだけで半日を過ごす。今夜泊まるホテルもま
だ見つからないし、気持ちは焦るばかりである。夏休み期間
に入っているとはいえ、ホテル探しに苦労するとは思いもし
なかった。
とにかく今夜は秋田市で泊り、明日は男鹿半島へ行かなけれ
ばと、気持ちは焦るし、懐具合に頭が痛い。暇はあっても、
さすがに七日目ともなると肝心なものが残り少なくなってき
たのである。
※撮影年月:2019-7 続きます。