春の陽気に誘われて久しぶりに京都東山今熊野あたりを散策してみた。この辺りには皇室の菩提所である御寺泉涌寺や西国三十三ヶ所観音霊場の第十五番札所・今熊野観音寺などがある。
泉涌寺参道を左に折れると朱塗りの鳥居橋が見える。橋を渡ると今熊野観音寺である。
本尊は、弘法大師作と伝えられる十一面観世音菩薩。本堂の後方には鮮やかな朱色の多宝塔(医聖堂)が見える。医界に貢献された方々が祭祀されているという。
境内に足を踏み入れるのは二十年振りだろうか。覚えがある建物は休憩室だけだった。
清少納言の父 清原元輔(中古三十六歌仙の一人)の邸はこの付近にあったようで、晩年の清少納言はその荒れたる邸に住んでいたと伝わっている。仕えていた定子さまの眠る鳥戸野陵を見守るには都合がよかったのかも知れない。
次に向うところは一条天皇の后・定子さまの みささぎ・鳥戸野陵である。右手の分岐道を十分ほど進むと鳥戸野陵がある。
参拝を終えて北の方角にある剣神社方面の枝垂れ桜を見に行く。
以前は毎年のように観にきていたのだが、今回は間が開いてしまった。
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今熊野は清水焼の産地でもあり、毎年桜の咲く季節には「日吉窯元祭」と言って陶器市が開かれているけれど、今年は開催されないのかアナウンスがない。