太宰治『津軽』を読む

太宰治「津軽」に陸奥の哀しみを見る

金木町(現在五所川原市)風景 「金木は、私の生れた町である。津軽平野のほぼ中央に位し、人口五、六千の、これという特徴もないが、どこやら都会風にちょっと気取った町である。」…… 「津軽の人でなくても、この年表に接しては溜息をつかざるを得ないだろ…

「津軽」 竜飛崎は人間に飼いならされた風景 !?

上野駅から東北本線を走る夜行列車、十九時発「八甲田」に乗車し、 青森駅に朝早く到着したのは十時間ほど経ってからのことか。そこ から又、ジーゼル機関車の曳く列車に乗換えて三厩駅に着く。さら に駅前からバスに乗換えて竜飛崎へ向う。 竜飛崎の印象「…

「津軽」 小泊村は遠かった!

最果ての地・小泊へ ああ 津軽海峡冬景色~ と歌いたいところであるが、そんな歌など生まれてもいなかった昭和40年代の中頃、わたしは一人で津軽海峡目指して旅立った。向ったところは小泊。そんな地名をほとんどの方は知らないであろう。太宰治の『津軽』を…