不思議なマイクロレンズで明治天皇生誕地の梅を撮る



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ここに一本のレンズがある。一般にはマクロレンズというものであるが、ニコンではマイクロレンズと称している。生まれは40年以上前のもので、その頃に河原町三条にあった上田カメラで購入(中古で)したものだ。ショーウインドを眺めていたらこのレンズと目が合った。これも何かの縁と思い、二階にあげてもらい姿かたち、ボデイに瑕疵はないか品定め。そして気に入って札入れと小銭入れの中身を全部出したけれど、身請けの金額には あとちょっと届かなかった。でも気のいい親父さん、「それでいいよ」と商談成立し家に連れて帰った(本妻には見つからないように)。

 

 

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明治天皇生誕地・中山邸跡(京都御苑内)

 

で このレンズだけれど、コダクロームを使って紅葉を撮影したらめちゃめちゃよく写る。いや写るなんてもんじゃなくて、細部まで写りすぎだ(コダクロームとの相性もあったのかも知れない)。ルーペでポジを覗いていたら愕然とした、これじゃあ風景や花の撮影には使えないなぁ、と。レンズには申し訳ないが、一二度使ってお蔵入りとなってしまった。

 

 

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佑井(さちのい)前の梅


 
そして昨日のこと、ひょっとしてと思ってか、くだんのレンズを引っ張り出し、買物に行きがてら京都御苑の梅でも撮ろうかと思ってエコバックを手に提げながらあっちブラブラ、こっちブラブラとほっつき歩いた(いつものこと)。
そして明治天皇生誕地の前でちょっと盛りをすぎた白梅を見つけ(狙っていたんだけどね)いざ撮ろうと思ったらファインダーが暗い、暗いだけでなくボンヤリしている。撮る前からフレアーがかかっているし!

 

 

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黒木の梅

 


とにかく撮ってみて家に帰ってからRAW現像してみよう、レンズを点検してみよう、と スーパーで沢山買物を済ませた。手には重たいエコバック、首には1kg以上あるD700を掛けた姿で(ああ首が痛い、肩が痛い、右手の握力がない!)。こりゃ体力づくりにムジナの穴で鍛え直さんといかんばい。

でレンズはどうなっていたかというと…雲っていた。その時のわたしの顔もくもっていたに違いない。内部と外部のレンズに油を塗ったようにべトッとした感じに曇っていたのである。そして白っぽい。カビか? もしやバルサンだか、バルサム剝れだとか言うのか?
こりゃレンズの保管状態が悪かったか。それとも長年使わなかったのでレンズが反乱を起こしたとか、なんて冗談を言っている場合ではない(修理に出すかどうか迷う)。

 
でも怪我の功名か面白い写真も撮れた。一枚目と二枚目の写真がそうだ。レンズにフィルターをかけたように、白梅が光っている。こんな写真は本来撮らないのだけれど、面白いので載せてみた。黒木の梅はフレアーがかっていたけど、現像でなんとか見られるようになった。
レンズの状態や現像前と後の写真も載せたいけど面倒なのでやめた(ご容赦を)。