石仏の道
浄瑠璃寺を後にして、山あいの “石仏の道“ を通り岩船寺に向う。
多くの方は比較的楽な逆のコースをとるが、静かな朝のうちに
車道のすぐ脇に鎮座している。名のとおり藪の中にある。
当尾の里とは
当尾の里は南都仏教の別所であるという。京の比叡山に対して
大原が別所であるように、何かと騒がしくなった南都を離れ、
静かな山里に庵を結び、修行に学門に励みたかったのだろう。
座している。修行僧が浄土に思いを馳せ、あるいは里の人々の
行く末を案じ刻んだのだろうか。
道すじに立派な造りの農家が点在しており、白壁が目にまぶしい。
治承4年(1181)、平清盛に命を受けた軍勢により南都が焼討ちに
遭い、奈良阪の戦で傷ついた奈良法師の中には、当尾の里の百姓家
にかくまってもらった者もいたかも知れない。そんなことを考えな
がら歩くのも趣きがある。
登山道の下にあるので、注意しないと通り過ぎてしまう。
辺りはきれいに清掃されていて気持ちがよい。
この集落を通り過ぎると間もなく岩船寺である。
一時間ほど歩き、ようやく寺に着いた。門前には家屋が軒を連ね、
意外にもにぎわいがある。
※次回は岩船寺を投稿します。